今回のLABテーマは、装飾パーツではなく、地味〜な機能パーツ。
LABでは、開発・検討用のために新旧のストライダーを30台以上保有しているが
それぞれの車体に対してカスタムの試行の為に何度となく組み替えを行っている中で感じたことは・・・
まず、最近では、ST-J4の進化について。
一般的には、シールドベアリングを標準仕様としたEVAホイールが目玉なのだろうが、
LAB的には、車体フレームの精度向上が一番の進化だと捉えている。
初期のフレームの場合、フレームパーツの溶接精度の問題とホイールシャフトの取付座面の加工精度のバラつきによって ホイールを装着した際にセンターフレームとフロントタイヤ、リアタイヤが直線上に並ばないといった事象が数多く見られた。
この事象についてLABで保有している5台のST-J4で検証してみると・・・
溶接治具の改善がはかられたのか?どうかは定かではないが5台全てのフレームにおいて、 センターフレーム、前後のタイヤが直線上に位置する精度が確認された。
加えてホイールシャフト取付座面精度が格段に向上し、座面の歪みによるシャフトへの影響は、ほぼ無いように感じられた。
ST-J4の検証の中で、もう1点感じたことは・・・
本体フレーム>フロントポストコラムとフロントフォークのガタつきの問題。
この問題は、初期型から気になっていた事象だが個体差もあって中々対応策が難しい。
この事象に関してもフロントフォーク形状を変えてきたST-J4では、だいぶ改善されている様にも思えるが、 まったくガタつきを感じない車両があれば、ガタつきが気になる車両もあって、依然として個体差の問題はあるように感じられる。
個体差の原因は?
ガタつき箇所の構成パーツは、次の3つとなる。
・フロントポストコラム
・樹脂製コラムシム(上下)
・フロントフォークポスト
フロントポストコラムとフロントフォークポストは、押し出し成形のスチールパイプを切断したパーツ部位、 部位自体の精度が守られていれば理屈上では、問題とならない。
となるとコラムとフォークポストの位置関係を制御する樹脂製のコラムシムに問題が?
この樹脂製コラムシムに関しては、素材の問題か、経年劣化によるガタつきの事象も確認している。
という訳で素材をアルミに変えてシムを試作してみることに。
ただ、事象解決のためには、かなり高い精度が求められるため国内の金属加工業者に依頼してNCを使って100分の3mm単位で試作パーツを製作。 上がってきたアルミ製コラムシムがコレ↓
【フロントコラムに装着した写真】↓
内側は、フォークとの接地摩擦(回転性)を考慮した溝断面
関係する全てのパーツを取り付けて検証すると・・・
問題となっていたフロントフォークのガタつきも落ち着き、動きもスムーズで問題なし。
この車両においては、とても良い感じ!!
何台かの他の車両に装着してみると・・・
全ての車両に関して80点はクリアできてもやはり若干の個体差があるように感じられる。
どうやら原因は、フォーク側のポスト径の製品バラつきの様である。
残念ながら、この問題に関しては、どうすることも出来ない。
ん〜どうしよう
想定されるに100点のパーツは、不可能なようだ。
開発を断念するか?
現状80点を90点までつきつめて90点パーツとして販売するか?
ん〜悩む!!
どう思われますか?カスタムダディのみなさん