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DADDYLABから様々な情報を発信します。

LABレポート>「X-WHEEL PRO」の開発

こんにちは。 忘れた頃に登場です!!
DADDYLAB商品開発担当サクラダディです。
かなぁ〜〜り、久しぶりのLABレポートをお届けいたします!!

最初に_
おかげさまで 現在、DADDYLAB製品は、アメリカ、ロシア、中国、香港、台湾、タイ、など、海外のストライダーキッズの皆さんにもご愛用いただいています。 ブランド発足当初は、こんな展開は予想もしていなかったので、各国のインスタグラムなどを見ていると、なんだか不思議な感じがします。しかし、同時に製品の品質や安全基準などといった責任に対する重さも再認識する思いです。これからも多くのカスタムダディの皆さんに共感していただける、安全で品質の高い、そしてカッコい〜製品を発信して行きますので、お付き合いの程、よろしくお願いします。

さて、今日は、ホイールについてレポートさせていただきます。
過去には、様々なホイールを発売しましたが、現在販売されているX-WHEEL Lightは、コストパフォーマンスの高さとハブアクスルのスキュアー化やベアリングチューンなどのカスタムの可能性も評価され、 エントリーユーザーからハイエンドユーザーまで、幅広いたくさんのユーザー様にご愛用いただいています。ロットを重ねるごとに品質も向上し、おかげさまで DADDYLABの定番ホイールとして今後も自信を持ってご提供することが出来る製品となりました。

X-WHEEL Lightに関しては、発売当初より「Lightがあるならその上のハイエンド向け、X-WHEEL PROとか作るの?」といったご質問を多数いただいていました。
実は、「X-WHEEL Light」を発売した時にハイエンドユーザー向け「X-WHEEL PRO」の開発も同時に行っていました。しかし 「DADDYLABブランドの製品としては、やっぱり販売価格がちょっと高いかなぁ〜」なんて思いもあり商品化を見送っていました。
でも、せっかく設計したのにお蔵入りさせるにはちょっともったいない想いもあり・・・
ユーザー様のリクエストに乗っからせていただき、トライアルとして限定数量を生産することにしました。

と言う訳で、ここからはいつものLABレポート調に開発〜仕様までをご紹介させていただきます。
少し長くなりますがお付き合いを_。

〈LABレポート:X-WHEEL PROの開発〉
初代 X-WHEELをもっとリーズナブルに_というコンセプトで開発した「X-WHEEL Light」に対し、初代X-WHEELを更に進化させることをコンセプトに開発をスタートした「X-WHEEL PRO」。何を持って進化を具現化するか?が大きな課題だった。

その当時、既に販売しているクイルステムの開発も同時に進行していた。
クイルステムの一番の開発コンセプトは、「安全」。安全をコンセプトにステムヘッドが身体を傷つけることが無いよう、ステム上部形状の凹凸を極力フラットにした造型をデザインして製品化した。
最近のストライダーシーンは、キッズのレベルアップとレーシングパーツの充実などにより以前に比べるとかなりハイスピード化している。同時に大きな事故に対するリスクも懸念される状況となっている。
そんな状況の中、パーツメーカーとして留意すべきポイントは、やはり安全であろう。
よって、X-WHEEL PROの進化コンセプトも「安全性の追求」に決定。
安全を追求した上でレーシングホイールとしての性能クオリティを充実させることに _

では、どうやって _
DADDYLABが発売した最初のレーシングホイール「Cup Racer」の時に作ったスリムスキュアー。現在もX-WHEELのオプションパーツとしてたくさんのユーザー様にご愛用いただいている人気の製品の一つだが、ずっと気になっていることがある。
それは_
スリム化をはかるためどうしてもエンドパーツの厚みを薄しなくてはならない。
そうなると必然的にホイールを固定するためのボルトの接地スパンが短くなり機能しているネジ溝は、ごくわずか。
それに加えてスキュアーボルトがステンレス素材に対し、エンドパーツは、アルミ素材。
硬度に差があり経年使用に伴い柔らかいアルミ素材でできたエンドパーツ側の受け溝山が摩耗していく。
この事象については、現在、愛用してくれているユーザー様もスリム化ありきの事象としてご理解いただき、定期的に補修パーツに交換して安全管理に留意してくれている。
だが、メーカーとしてもっと安全面に対し確実性をもった製品を提供できないだろうか?と常々思っていた。
そこで、ハイエンドユーザー向けのレーシングホイール「X-WHEEL PRO」の開発コンセプト「安全性の追求」を具体的にカタチにする方向として、より安全なアクスル構造を思考することにした。

まず最初に試みたことは_
現行のスリムスキュアーをそのままに、エンドパーツのアルミ合金の配合比をかえてステンレス製スキュアーボルトの硬度に近づけてみた。理論上では摩耗を軽減させることになるが結局の所、アルミ対ステンレス、硬度に差があることには変わりない。
では、エンドパーツをスキュアーボルトと同じステンレス素材で作ればいい・・・・
そもそも摩耗の問題を解決したところで厚さの薄いエンドパーツ内に設定出来るネジ溝の数は、ごくわずかなことには変わりがない。やはりスリム化ありきのこの構造では、スキュアーボルトと留め具となるエンドパーツの接地スパンが心細い感は否めない。

「スリムさをキープしたまま、もっと、がっちり安全にホイールを車両フレーム固定させることができるスキュアーはできないものか?」・・・ ・・・・・

「ん?! スキュアーの構造概念にとらわれなくても!!」
ずっとスキュアーありきで考えてきたがスキュアーでなきゃいけないという事はない!!
もう一度原点にかえって、ストライダーの車軸として理想的なアクスルパーツの要件を整理してみる。

①ホイール重量の軽量化
②くるぶしアタリ対策→凸量の少ないスリムな留め具構造
③車両フレームにしっかりと固定できる安全構造
④壊れにくくかつ、摩耗の少ない耐久性に優れた構造

問題なのは③④番の要件。
車両フレームにしっかり固定するためには、どうしても留め具(サイドパーツ)に十分な接地スパンを必要とする。
十分な接地スパンをキープするには、ある程度の厚みが必要でホイールナット同様に外側に突出する凸量が大きくなる。これでは②のスリム化の要件が満たされない。
「!!」
外側でなく、内側に固定させる構造にすれば?!
外側に突出することを避けたいなら内側に固定構造を持たせればいいのでは?!
スキュアーの概念=スキュアーボルトを串刺しにして先端をネジ構造の留め具によって固定する _

「スキュアーでなければ出来る!!」

外側でなく内側ならばハブ幅の分、十分な接地スパンを設定することが可能である。
つまり、両サイド(外側)から内側に向かってハブ内部に固定構造を持たせればいい。
具体的には、ハブ内部にネジ溝(受け)を設定し、左右両サイドそれぞれからボルトを挿入して固定させればいい。

早速図面化してみる_

スケートボードのベアリングサイズ608はキープしたい。
ベアリング規格寸法を608ありきに図面を描いてみる。

【スキュアーに代わる新しいアクスル構造】

ハブ内にあるスペーサーパイプの左右先端から25mmの深さまで内面にネジ溝を設定し、 20mmの長さのボルトを左右から挿入させて固定する。
ネジで固定されているスパンは、左右合計30mm以上となる設計だ。
この設計ならば、ホイールの留め具が外れるということはまず考えられない。
加えて、スキュアー構造では、固定するために機能していたサイドパーツが留め具として機能する必要なくなったため、ネジ溝が不要になった。つまりその分、更に薄くすることが可能になった。(厚さ約5.3mm)

一応、図面上では理論を成立させることができたが加工技術的に可能なのか?
ハブメーカーと取引のある台湾の金属加工会社に図面を送り強度の検討と試作を依頼することに_

強度条件をクリアしたアクスルパーツを組み込んだ試作ホイールが上がってきた。
左右両サイドからボルトを挿入して固定する新しいアクスル構造のX-WHEEL PROだ!!

【 X-WHEEL PROの試作品】


早速車両に取り付けてみる。



車軸が外れる不安は全く感じさせない。
文句なしにしっかり固定される!!
両サイドのサイドパーツの厚みもスキュアーの時より更に薄くなりスリム感にも文句がない!!
課題に挙げた全ての条件をクリアしたX-WHEEL PROの完成だ!!

X-WHEEL PROのスペックは_
Cup Racerの時にシュワルベ製203系タイヤに合わせて作ったオリジナルリム。
サイズ15のスリムスポーク(16本)
アルマイトカラーアルミニップル
ベアリングはNINJA製SUPER BADDEST搭載の アルマイトカラーX-ハブ(16H)
そして、スキュアーに替わり新しく開発した、両側ボルト固定の「X-アクスル(仮)」を標準装備。
新しいアクスル構造の「X-WHEEL PRO」は、平ワッシャー2個とタブワッシャー2個を含めても総重量は、わずか約305g!! スキュアー採用時と比較しても軽量化されている。

「安全性の追求」とレーシングホイールとしての「進化」。
「X-WHEEL PRO」誕生。

という訳で、ユーザー様のリクエストにお応えするカタチで「X-WHEEL PRO」の販売を決定します!!
販売に関しましては、現在の所、具体的な日時、価格等は未定となります。
また、期間限定商品として不定期での販売を予定しています。よってロット製造数も少量となるため当商品の販売は、DADDYLAB オンラインショップ LAB SHOPのみのお取扱いとさせていただきます。
※ご予約による販売はおこなっておりません。

詳細情報の追加がある場合、随時DADDYLABサイトリリースとFacebookよりご案内させて頂きます。

日に日に春の気配を感じる季節となりました。いよいよハイシーズンですね。
ストライダーを通して思いで深いご家族の時間をお過ごしください。

さぁ〜今シーズンもご一緒に楽しみましょう!!

以上、DADDYLAB商品開発担当サクラダディでした。

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